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ヒプノセラピーとは?

ヒプノセラピー(hypnotherapy)=催眠療法です。

 

さて、「催眠療法」と聞いて、どのようなイメージを抱くでしょうか?

催眠にかけられる。洗脳される。嫌いな異性を好きにさせられてしまう。

現実離れしている。怪しい。といったイメージを抱いている人もいるかもしれません。

 

ここで、いくつかポイントをご紹介しましょう。

 

催眠は魔法? 魔術? 手品?

魔法でも魔術でも手品でもありません。

催眠では、魔法のように人をコントロールすることはできません。

ある男性から、このような質問を受けました。

「好きな人がいます。催眠で私のことを好きにさせることはできますか?」

答えはNoです。

しかし、自分とのコミュニケーションを変えることで、結果的に相手に変化を及ぼすことはできます。

例えば、

・好きな人の前では緊張してしまう

とすれば、自然体でいられ普段通りの自分を出せれば結果が変化するかもしれません

・いつも一方通行の会話になってしまう

とすれば、会話の仕方を変えれば結果も変化するかもしれません。

その原因が、彼女の変化に気づかないから一方通行の会話になりがちである。とすれば、相手の反応に返すコミュニケーションをとれるようにしていけば変わっていけるでしょう。

・自信、過去のふられた体験などから告白できない

とすれば、過去の体験をどういかせる学びにしていくのか。或いは、得られるものと、行動した時に伴うリスクをどう自分自身で負う責任を持ち、得られるものに立ち向かう自律心を持てるのか。

この意識をどう持つか、そしてこの資質はこの人自身に既に潜んでいるのです。

心理学では様々なテクニックがありますが、こういった対処の手法として催眠も有効といえます。

この際、重要なことは、催眠のテクニックにより、クライエント自身がクライエントのもともと持っている資質で変化をもたらすものだということです。

つまり、決して、セラピストがクライエントを変えるのではないということです。

この援助の過程を催眠療法という道具でサポートできるのです。

そして、正しく前提を理解すれば、非常に論理的なのです。

 

なぜ、コーチングにも適しているの?

能力がありながらも、同じ資質を持ちながらも、人は自己認識に支配され、そこからの信念・価値観で能力に蓋をしがちです。

例えば、受験生で「私はダメ」という自己認識が強かったとしましょう。

二次方程式が解けないと、やっぱり「勉強は無理」と、信念レベルでの思考ができないことに着目しやすくなります。

一方、「私はできる」という自己認識の人の場合、同じような状況下でも、「二次方程式はできないが、ここまでは解けている」「学習すればできていく」と、信念レベルでの思考が違ってきます。

結果、勉強に手がつくか、つかないかといった行動・身体反応にも差が生じるのです。

 

この自己認識、信念こそ、周囲からの暗示を受けてきた反応ともいえます。

例えば、受験にしばられた教育は子供のゾーンをせばめることが多いといえるかもしれません。

先生からは「この成績では、ここの学校しか無理でしょう」

親は「先生の言うとおりに、無難にここを受講しておいたら」

子供は本当の目標ではないかもしれないまま従う・・・

そしていつしか

・どうせ私はこうだから

・もうこの辺で十分

・もういい無理だから

知らずして、自分の中でつくりあげているゾーンにおさまっていることが多いのです。

「皆同じ人間です。可能性は無限にあります。」

自分の中でいつしか抑えている無限の力を広げていくのに催眠は有効なのです。

何故か?

受験生の例で「私はダメだ」という自己認識や

今のゾーンにいつしかおさまり「私には無理だ」という信念は、潜在意識で自動反応的に引き起こします。そして、あたかも、そこから引き出す思考も含めて現実と捉えがちなのです。

ここで、潜在意識にコンタクトできるとしたら?

そう、催眠は潜在意識にアクセスするテクニックであるからこそ、有効な道具になるのです。

目標に近づく力をつけたい。気持ちを活性化し行動力を高めたい。

ダイエット、禁煙セラピーとしても催眠療法は使われています。

スポーツの世界でもイメージトレーニングはよく聞きますね。

記録を伸ばすには、テクニックだけでは難しいですよね。そう、いくら力が備わっていても、成果が出せない。「テクニック+自己認識+イメージング」が必要です。この自己認識やイメージングに無意識に焼き付けやすい催眠暗示は効果的なのです。但し、あくまでも被験者が望むものでない限り暗示は受け入れることはできません。

 

洗脳とは違うの?

あきらかに洗脳、またマインドコントロールといわれるものとは違います。

洗脳とは、朝鮮戦争中にアメリカ人の戦争捕虜が受けたとされる尋問と教化のパターンを指して、この言葉が作られたともいわれています。つまり、個人の自由意思を破壊してしまう教化のシステムを意味します。

長時間、個人を拘禁状態において拷問したり薬物を投与したりして、個人の精神構造を強制的に生理的に変化させ服従を強要します。

マインドコントロールという言葉もよく耳にします。洗脳という言葉を同義語のように扱いがちですが、この二つは違う意味を持ちます。マインドコントロールは、物理的にはっきりとした身体的拘束をせず、人の心を自由自在に操ることができる状態にすることです。洗脳には、暴力的な要素が加わっています。

洗脳・マインドコントロールにみられるプロセスは(1)から(4)をたどります。

(1) 隔離 : 慣れない環境下におく

(2) 鬱化 : 睡眠制限、食事制限をする

(3) 刷込 : 弱ったところで、洗脳する内容を記憶の中に埋めこむ

・従わなければ苦痛を与え、従えば褒美をあげる

・人格、感情を否定し怒り、弱ると優しくする

(4) 強化 : 体内のケミカルバランスを変化させる

 

では催眠はどうなのか?

洗脳といわれるものは、主導権はそれを行う側にあるのに対して、催眠の主導権はクライエントにあるということです。

つまりクライエントが望むべきものでない限り、拒絶することはいつでも意識下でできるのです。

 

例えば、映画館にしましょう。

感動ものの映画で、あたかもあなたが主人公になったかのごとく涙した経験はないでしょうか?

その時に映画館を出てからも、延々と涙し続けてたでしょうか?

これと同じことが催眠状態では起きているのです。自分で起きていることは自覚しているものなのです。

そして映画館を出る時のように、自身で意識的に状態は切り替えられるのです。

映画をみていながら、その世界に入り込んでいる状態が、いわゆる催眠状態(トランス状態)であり、その時に感じたり、確かにそうだなぁと思わせられるような考えが、暗示を受けている状態なのです。

好きなマンガやドラマ、映画はありませんか?

そこから、今の自分に何かしら影響を受けていることはないですか?

自分にとってよい教訓になっていたとしても、今はその世界に入り込んでいませんよね。

催眠では、映画館のシチュエーションをつくり、クライエントが映画に夢中になり、そこからクライエント自身が自分にとって有効なメッセージを受け取る。

このようなことをしていくものなのです。

マンガ、ドラマ、映画で、自分にとって嫌なことは嫌ですよね。

つまり嫌なメッセージは教訓にはなっていないわけです。

 

主役はクライエントって?  第一にラポール

そして、映画でも、怖くて耐えに耐えられなければ、途中で抜け出すこともできますよね。あまりにも怖ければ目を背けて耳に手をあてがうこともできます。また、つまらなければ、寝てしまうかもしれません。催眠も同じです。いつでも拒絶することはできるのです。一方的にかけられることはないのです。

映画館で例えるならば、まず、クライエントに映画館の席に座ってもらい、映画を見る・聞く・感じてもらわなければいけないのです。

そのために必要なことは?

クライエントの催眠を受けるという意志。セラピストを信頼して話を聞きいれる。という気持ちが必要なのです。そのためのラポール(信頼関係)が必要なのです。

ただし、例えば友達関係、親子関係の様に何でも気を許すのがラポールではありません。逆にこのような親子の関係性は催眠状態を妨げるものとなります。

なぜなら、例えば

昨日まで子供に勉強しなさいしなさい。と言っていたお母さんが、ヒプノセラピストとして活動を始めました。

そして、子供に勉強させようと「ゆったりと瞼をとじて・・いいですよ・・・リラックスして・・深く・・。あなたは自転車を練習して、乗りこなせるようになったときの自信に満ちた・・・」と催眠誘導をはじめだしました。

子供は「お母さん、変??」「いつも早口のお母さんがなに、笑える・・・」「お腹すいた」

こんな意識が妨げるから、いくら安心感があるといっても、気持ちが散乱しお母さんの言葉など入ってきません。よって効果は得られないのです。

 

記憶を書き換えるの?

記憶を書き換えるようなことはしていきません。クライエントにもともと備わっている資質を引き出す、強化することはしていきます。

例えば、私は背が低いからもてない。と悩んでいる人がいたとしましょう。

この方の表現そのものは、顕在意識(意識していること)です。

潜在意識(無意識といわれるもの)には、この表現をさせる体験が潜んでいます。

そして、その潜在意識と顕在意識の狭間で、情報を削除・歪曲・一般化しているのです。

削除・歪曲・一般化について、具体的にお話をしていきましょう。

この悩んでいる人の、「背が低い=もてない」という思考は、この方にとっての現実であり顕在意識なのです。

そこには、潜在意識としての体験があり、「背が低い=もてない」という信念をつくりあげているのです。

もしかしたら、異性にからかわれ、それが背が低いためと思い込んでいる体験。

或いは「好き嫌いがあると背が低いままもてないぞ」と親から言われた一言体験。

こんな体験が、その人の今その瞬間の思考をつくりあげているかもしれません。

とした場合、背が低くてももてている人の情報は削除してしまっているのです。

そして、背が低い人はもてないと歪めて、全てそうだというように一般化してしまっているのです。

 

削除・歪曲・一般化している情報にかわる肯定的な情報を与え、今の思考に変容を起こす手助けをするのが、我々の催眠療法の本質でもあるところです。

この人にとって、「背が低い=もてない」という方程式から解放させる潜在意識を引き出すのです。

心理カウンセリングの傾聴、認知療法、コーチングでも結局はここなのです。

非常に論理的なアプローチをするものなのです。

クライエントの状況にもよりますが、催眠でのアプローチは様々あります。

私がよくコーチングに催眠手法を取り入れているのは、この事例のクライエントでしたら、メタファ(物語で語り気づきを引き起こすスキル)で、背が低くい=もてないという方程式がかならずしもそうでないということを認知の修正(思考にその人なりに新しい気づきが生じること)をさせていきます。その上で、自己否定感も強いようでしたら、自信があったときの気持ちを引出し、その時の自信に満ち溢れている感覚を無意識にアクセスしながら埋め込んでいくのです。

必ずしも、セラピストの力でねじまげたりクライエントを操作していくものではないのです。

 

なぜ、日常のコミュニケーションに活かせるの

より対人コミュニケーションを磨くには

・場の空気を読む能力

・相手の非言語表現を読み取る能力

・誰であろうとも向き合う能力(自己一致力)

・論理的言語表現能力

が求められます。

セラピストには必須の能力です。特に催眠では、ラポールにかかせない相手のペースや観察力も磨くことができていきます。つまり、必然的に日常のコミュニケーションにも活かせるのです。

 

前世療法は本当にみえる?

本当かどうかは実証科学的にはわかりません。体験された方の中には本当に自分の前世なのかと、疑念をもつ人は少なくありません。言えることは、潜在意識が与えたメッセージであることに間違いはないということ。そして、そこにはご自身の潜在意識が誘導しているということ。そして、その意味を受取ることによって、認知の修正(新たな思考の気づき)により、そこから先へ進む道の新たなきっかけとできるということ。本当かどうかというよりも、ここが大切なポイントになります。

退行催眠、前世療法は言わば自分史を変えるということにもなります。

前世療法について

 

記憶

認知心理学では、記憶の再生の仕方の理論に「記銘」「保持」「想起」という考え方があります。

記銘(データとして記録)し、保持(貯蔵)し、そのデータを起起(引き出す)ものですが、起想には「再生」「再認」「再構成」と3つあるといわれ、簡単に言うと、想起する都度、引き出すため変わることもありうるということです。

ある犯人の目撃者。面通しで明らかに自分の記憶と違う。でも他の人たちはあの人だという。そうするとそう思えてくる。集団心理が働いて認知に変容が起こるのです。

ある心理学者がいっていることです。

「あの時こうだったから、今こうで、未来もどうせこうなる」と考えるとすれば

「事実はどうかわからないが、あの時こうだと考えるから今そうで、未来もそうなんだ」

 

過去も未来も今の概念であり、その人自身がつくりあげているのです。

 

これら気づきのアプローチの手法として、ヒプノセラピー(催眠療法)も論理的アプローチの選択肢として活用できるということです。

 

このような誤解をいかになくして安心してセラピストに向き合ってもらえるか、様々な視点から基本前提を身につけることもセラピストにはもとめられます。

体感しながら理解を深めてみませんか

 

青山ココロコートではヒプノセラピーの他にも心理学理論に基づいた各種講習、セラピストを支援する活動もしております。
お気軽にどのようなことでもご相談ください。

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